自由人法帖~自由忍者紀行録~

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【書評】「19歳 一家四人惨殺犯の告白」 を読んだよ!

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はじめに

こんにちは。抜け忍です。
前回書評について書く、と記事を書かせていただいたのですが、一冊知人から借りた本があり、借りっぱなしでは悪いので早速ささっと書評を書いて返したいと思います(笑)

書評記事第一弾に選ばれた本は


です。

(正直一発目としてはふさわしくない、暗い・・・というか胸糞な題材です(笑))
 

概要

1992年、千葉県市川市にて起きた一家四人惨殺事件のドキュメンタリーです。犯人、関光彦(せき てるひこ)の事件発生時までの生涯、および事件の内容を、実際に犯人にインタビューした内容をもとに書かれた本となっています。
事件の概要についてはWikiから引用。
 

市川一家4人殺人事件(いちかわいっか4にんさつじんじけん)は、1992年(平成4年)3月5日千葉県市川市2丁目(行徳地区)にあるマンションで発生した当時19歳の未成年者による強盗殺人事件(少年犯罪)である。平成の少年犯罪では初の死刑確定事件(少年死刑囚)であり、10代の少年による残忍な犯行として社会に衝撃を与えた。

市川一家4人殺人事件 - Wikipedia

 
簡単にまとめると、クズな父親と、典型的な世間体ばっか気にする母親のもとで育った犯人が、中学入学以降非行を繰り返し、挙句の果てにフィリピンバーの店員を強姦し、これをきっかけに暴力団に追われる羽目になり、追い込まれた結果ある一家4人を惨殺するという悲劇を生んだ事件です。

本を読んだ感想・考えさせられたこと

はっきりいって胸糞です!
いや、本の内容ではなく事件そのものがですけどね(笑)
本の内容自体は色々考えさせられるいい題材だったと思います。

何が胸糞かっていうと、まず、犯人の人間性ですね。恵まれない環境だってのはわかるんですけど、とにかく自分の行動の原因を自分でなく周りの環境にするんですね。

俺がこんな人間になったのは両親のせい、恋人と引き裂かれたせい、貧乏だったせい・・・ととにかく周りのせいにしてます。

甘ったれんな!?

って話ですよ!本にも書かれているけど、もっと悲惨な人生を歩んでる人だって偉大な結果を残しているわけだし。
正直、両親がクズだったり、友人や恋人とどうしようもなく悲惨に別れる羽目になったり、生きるだけでも精一杯なほど貧乏になったりすることなんて、ぶっちゃけ珍しくないんだよな!?

でもさ、これは「7つの習慣」って本からの受け売りなんだけど(この本に関しても後日書評を書きます。)、
人ってのは周りの環境や起きた事象に対しての反応を自分で選ぶことができると思うんです。
例えば、この犯人の環境だって、両親がクズだったり友人にいじめられたりしたことだって「絶対に自分はこういうやつらみたいにはならない」って反応を選ぶことができたら反面教師にして自分のいい人格形成のきっかけにするだってできるわけだし、
恋人や友人を別れる羽目になったことだって、本当に悲しかったんだったら「二度とこんな悲しい思いをしないためにも人間関係大事にしよう」って反応を選んだら、もっといい人間関係を築くきっかけにすることだってできるわけだしね。

それを犯人は周りの環境からの刺激を自分の頭を使って考えずに受けた結果、自分の軽蔑する人間よりもっと最悪な人間になってしまったわけですね。

本当に目も当てられません。

もう一つ胸糞だと感じた原因は、なんでこんな幸せそうな家族が自分勝手な理由で悲惨な結末を迎えなきゃいけないんだ・・・という理不尽を感じたことですね。

この本には被害者家族の幸せそうな生涯についても簡単ではあるのですが記載されていて、それとは対照的な殺され方をしているわけでして・・・ほんとこの殺害の様子を飛んでたときは一人激怒しながら読んでました。

特に長女(生存)が暇つぶしのために何度も強姦されていたり、次女の殺される時の描写はもう吐き気を及ぼすレベルですね・・・
しかもこの事件をおこしたきっかけが暴力団に追われて追い詰められたことと、別途強姦事件を起こした時に感じた征服感を感じるため、ってのがね・・・

まあ感想はこの程度にしておき、考えさせられたことについても書きたいと思います。 

子供を育てるということについて

上では環境に対する反応は選べるとは書きましたが、正直親の子育ての仕方は子供教育には大きく影響を与えるものだとは僕も思います。(自分の行動の結果を親のせいにする、というのはダメだってことです。)

犯人の父親は遊びほうけて家族にも暴力をふるう・・・って時点で論外ですが、母親の子供への接し方はちょっと考えさせられました。

母親についてはおそらく、子供への愛情自体はあったんじゃないかと思ってます。せっせと働いて養ってたわけだし。

ただ、やっぱり子供が何を考えているわかろうとはせず、「世間からどう見られているか。どう行動すれば立派にみられるか」ということばっか気にしてたのがダメだったのかなーと思いました。

でもこういう親って珍しくないんじゃなかなーって正直思います。だからこそ、関光彦みたいな人間がどこかしらで生まれかねないと思うと、正直ぞっとします・・・。

親の育て方次第で子供は不幸にもなるし、さらに子供が別の誰かを不幸にさせかねない、と思うと本当に子の育て方というのは行き当たりばったりではなく、しっかり考えなきゃいけないものだと考えさせられました。

僕はまだ独身だし、結婚の予定なんて全くないのでアレですが、いつか親になるとしたら、優しくも厳しくもありたいし、特に「子供のことを真に理解して、誰よりも味方になれる」親になりたいなと思いました。
 

死刑について

本の中に別の死刑確定囚が訴えていたことが印象に残りました。

その内容は「死ぬことよりなにより怖いのが、いつ死刑執行されるかわからないということ。法相が死刑執行をいつまでも決めず、俺らにこんな恐怖を与え続けることこそ非人道的じゃねえか」というものになります。

この場で死刑に関する議論など行うつもりはないのですが、正直僕は死刑賛成派です

抑止力がうんぬんというより、人の幸せをぶち壊した人間がのうのうと生き続けるのはおかしいし、死刑判定される人間なんてまた他の誰かの幸せを壊す可能性は普通の人間より高いわけで、この可能性を無視したらあかんでしょ?って思うからです。

だからこそ、死刑確定したんだったら早く執行してくれよ、こいつらが生きるためになんで税金払わなきゃいかんのだ・・・とか思ってたりしたわけですが、
正直こいつらにこの最大の恐怖を与えられることこそ最大の罰なんじゃないかと気づかされました。

人道的非人道的だというけど、正直犯した罪にはふさわしい罰が与えられることこそあるべきだと思いますしね・・・

死刑に関してはここには書ききれないほど考えさせられる面が多く、この本はこのことに関して考えるいいきっかけになったと思います。 

こんな人におすすめ!

・凶悪犯がどういう背景で育つのか興味ある人

・死刑や親としての在り方に関して考えたい人

・悪を憎み正義を愛する心を育みたい人

ハッピーエンドしか認めずバッドエンドは認めないって人にはおすすめできません(笑)
まあこういった本にハッピーエンドなんかあり得ないとは思いますが・・・


そんな感じです。


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